2023 年以降、かつて Windows で最も使われていた Clash for Windows(CFW) は開発終了となり、新規ユーザーが検索するのは「Clash Verge Rev Windows 11 インストール」「Clash Verge Rev インストール方法」といったキーワードに変わりつつあります。本記事は、Windows 11 専用のゼロから導入ガイドです。公式ダウンロード、EXE インストール、UAC(ユーザーアカウント制御)の扱い、サービスモードの有効化、そして初回プロキシ ON までを、入門記事とは別ルートで一本化して説明します。
なぜ Windows 11 では Clash Verge Rev か
Clash 本体はコマンドラインのコアエンジンであり、日常利用には GUI クライアントが必要です。2026 年時点で Windows 11 向けにメンテナンスが続き、Mihomo(Clash Meta)コアを内蔵し、購読管理・ルール分流・TUN に対応しているのが Clash Verge Rev です。Tauri ベースで軽量、日本語に近い UI 構成も多く、CFW からの乗り換え先として定着しています。
本記事の「インストール」は、単に EXE を置くことだけではありません。初めて TUN を使う人がつまずく UAC と、管理者昇格を毎回求めないためのサービスモードまで含め、実際に「使える状態」にするまでを対象とします。
事前準備と動作環境
- OS:Windows 11(Home / Pro いずれも可)。Windows 10 は 1903 以降でも同手順ですが、本稿は Win11 を前提に記述します。
- アーキテクチャ:一般的な PC は
x64。Surface Pro X など ARM 端末はarm64ビルドを選びます。 - WebView2:Verge Rev の UI に必要です。Windows 11 には通常同梱されており、未導入の場合は初回起動時に案内されます。
- 管理者相当の権限:インストール・サービスモード・TUN では UAC で「はい」が必要です。標準ユーザーアカウントでも、昇格可能な環境であれば問題ありません。
- 購読 URL:プロキシノードは別途プロバイダーから取得します。当サイトは特定サービスを推奨しません。
会社支給 PC では、セキュリティソフトがサービス登録や TUN ドライバをブロックする場合があります。IT ポリシーがある環境では事前確認をおすすめします。
ステップ 1:公式から Clash Verge Rev をダウンロード
- ブラウザで当サイトの ダウンロードページを開き、Windows セクションへ進みます。
- 推奨表示の Clash Verge Rev — Windows x64 を選び、
clash-verge-rev-win-x64.exeを保存します。 - ARM デバイスのみ
clash-verge-rev-win-arm64.exeを使用します。 - 不明な第三者ミラーや改変版は避け、必ず公式配布元から取得してください。
CFW のアーカイブ版もページに残っていますが、新規導入は Verge Rev を選ぶのが安全です。旧設定の移行が必要な場合は、プロバイダーから新しい購読 URL を再取得する方が確実です。
ステップ 2:インストーラーの実行と SmartScreen
- ダウンロードした EXE をダブルクリックします。
- Microsoft Defender SmartScreen で「認識されないアプリ」と出た場合は、詳細情報 → 実行 を選びます(オープンソースクライアントではよくある表示です)。
- インストール先(既定の
Program Files付近)とショートカット作成を確認し、ウィザードを完了します。 - この段階で UAC が表示されたら、発行元が Clash Verge Rev 関連であることを確認し、はい をクリックします。
- 完了後、スタートメニューから Clash Verge Rev を起動します。
初回起動でアップデート確認や WebView2 の追加インストールが走ることがあります。ネットワークが不安定な場合は、有線または安定した Wi‑Fi で実行してください。
UAC とは:いつ「はい」を押すか
UAC(User Account Control)は、システム全体に影響する操作の前に管理者権限を求める Windows の仕組みです。Clash Verge Rev では次のタイミングで表示されやすいです。
- 初回インストール、およびアプリ本体のアップデート時
- サービスモードのインストール・アンインストール・更新時(内部で
install-service/uninstall-serviceが動作) - TUN モードを初めて有効にするとき(仮想アダプタやルーティング変更のため)
バージョンアップ直後に UAC が連続で 2 回出る場合があります。これは旧サービスを削除してから新サービスを登録する正常な流れであることが多く、不審な発行元でなければ両方とも許可して問題ありません。ウイルス対策ソフトが clash_verge_service の自動起動を無効化していると、毎回の起動で UAC が繰り返されることもあるため、除外設定を確認してください。
ステップ 3:サービスモードをインストール(推奨)
サービスモードは、Mihomo コアを Windows サービスとして登録する機能です。有効にすると、TUN や一部のシステムレベル操作を、毎回アプリ全体を「管理者として実行」しなくても安定させやすくなります。Win11 でゲーム・PowerShell・WSL などシステムプロキシを読まないアプリにもプロキシを通したい場合は、早めの設定をおすすめします。
設定画面からの手順
- Clash Verge Rev を開き、左下またはサイドバーの 設定(Settings) を開きます。
- サービスモード(Service Mode)、または Core / サービス に相当する項目を探します。
- サービスをインストール(Install Service)をクリックします。
- UAC が表示されたら はい。成功すると「サービスが実行中」「Installed」などの表示になります。
- 失敗した場合は一度アプリを終了し、同じボタンで再試行するか、インストールフォルダ内の
uninstall-service.exeで古い登録を削除してから再インストールします。
サービスモードはブラウザだけシステムプロキシで十分なユーザーには必須ではありません。まずは後述のシステムプロキシだけで試し、コマンドラインや特定アプリが繋がらないときにサービスモード+ TUN を有効にする段階的な進め方でも構いません。
ステップ 4:購読インポートと初回プロキシ設定
インストールとサービスモードが済んだら、実際のノードを読み込みます。手順の骨子は次のとおりです。
- 左メニューの プロファイル(Profiles / サブスクリプション) を開きます。
- プロバイダーからコピーした
https://で始まる購読 URL を貼り付け、インポート → 更新 します。 - カードをクリックし、現在有効なプロファイルにします。
- プロキシ 画面で遅延テストを行い、応答の良いノードを 1 つ選択します。
- 画面下部または設定でモードを Rule(ルール) にします(Global は国内サイトまで遅くなりがちです)。
- まず システムプロキシ をオンにし、ブラウザで接続確認します。
- 必要に応じて TUN モード をオンにします。サービスモード未導入の場合は、ここで再度 UAC が出ることがあります。
購読の更新だけ失敗する場合は、URL の期限切れや社内ファイアウォールを疑ってください。一度プロキシをオンにした状態で再更新すると成功することもあります。詳細なトラブルは 公式チュートリアル の FAQ も参照してください。
ステップ 5:動作確認
- プロファイルが有効、Rule モード、ノード選択済み、システムプロキシまたは TUN がオンであることを確認します。
- ブラウザで
https://www.google.comなど、普段プロキシ経由で見るサイトを開きます。 - 信頼できる IP 確認サイト(例:
ip.sb)で、表示国が選択ノードと一致するか確認します。 - Clash Verge Rev の ログ に
timeoutやconnection refusedが連続していないか見ます。
PowerShell で curl -s https://ip.sb を実行し、ノード側の IP が返れば TUN 経由も正常です。システムプロキシのみのときは curl が直結のままになるのは仕様です。
Clash for Windows からの乗り換えメモ
CFW の config.yaml をそのまま流用できる場合もありますが、購読 URL の再インポートの方がトラブルが少ないです。CFW で使っていたポート(例:7890)と Verge Rev の既定が異なる場合、他アプリのプロキシ設定を見直してください。CFW は開発終了のため、セキュリティ更新の観点からも Verge Rev への移行を推奨します。
よくあるトラブル
- サービスモードのインストール失敗:最新版へ更新、セキュリティソフトの除外、
uninstall-service.exe後の再インストールを試す。 - 起動のたびに UAC:サービスが無効化されていないか、タスクマネージャーのサービス一覧で
clash_verge_serviceを確認。 - TUN がオンにならない:サービスモードの導入、Hyper-V / 他 VPN との競合、Win11 のネットワークリセットを検討。
- WebView2 エラー:Microsoft 公式の WebView2 ランタイムを手動インストール。
- SmartScreen で止まる:詳細情報から実行。それでも不安な場合はファイルハッシュを GitHub リリースと照合。
よくある質問
Windows 10 でも同じ手順ですか?
はい。Win10 1903 以降であれば手順はほぼ同一です。WebView2 が無い環境では Microsoft からの追加インストールが必要になる点だけ異なります。
管理者アカウントではないと使えませんか?
標準ユーザーでも、UAC 昇格が許可されていればインストールとサービスモードは可能です。昇格が完全に禁止されている社用 PC では TUN が使えないことがあります。
FlClash とどちらを選ぶべきですか?
Windows 11 デスクトップでは Verge Rev が定番です。Android や Material You 系 UI を好む場合は FlClash を検討してください。同一の Mihomo コアと購読 URL を共有できます。
まとめ
Win11 での Clash Verge Rev 導入は、公式 EXE の取得 → インストール時の UAC → サービスモード(必要なら)→ 購読と Rule モード → システムプロキシ/TUN の確認の順で進めると迷いません。入門記事が「複数 OS と初回接続」に広く触れるのに対し、本稿は Windows 11 + Verge Rev に特化したインストール手順として参照できます。
単機能 VPN アプリは設定が閉じており、CFW のような旧クライアントは更新が止まっています。一方 Clash エコシステムは、購読の自動更新、Rule による分流、Shadowsocks / VMess / VLESS など複数プロトコルの一元管理を Verge Rev の GUI で扱えます。Win11 ではサービスモードまで整えておくと、TUN と日常利用の切り替えが後から楽になるため、初回セットアップのうちに済ませておく価値があります。